梅田に着く頃には、ようやく私の身体の震えは収まってきた。 夏希くんは私を気遣って、やっぱり最後に電車を降りてくれた。 駅の時計で時間を確認すると、まだ待ち合わせの時間まで十五分ほどあった。
「まだ時間があるけど、一回改札出よか?」
「…」
私は黙って首を横に振った。
「じゃあ、座って待ってよか?」
「ううん…」
私達は階段を降りて、改札の前で壁に凭れてみんなを待った。
私は待つ間ずっと、夏希くんに身体を預けていた。
「ごめんね…私がこんなんだから…まともなデートも…できないし…いつも私に…気を遣って…」
「何を言い出すねん…俺はそういうとこも含めて、真愛が好きなんやで…ようやく俺や涼平と、話せるようになったんやないか。悟志や拓海にも同じ気持ちで接したら、きっと普通に話せる…」
「うん…」
「悟志も拓海も結婚してるんや。変な下心持ってないから安心して心開いて、話してたらいいんやで」
「うん…頑張ってみる…」
「そうや…その意気や…」
夏希くんの言葉に、勇気が湧いてくるのがわかった。