電車に乗ると、私を挟み込む様に香緒里と美樹が座った。
二人は初め、私と夏希くんを一緒に座らそうとしたが、
「俺が真愛の前に立って、周りを見せない様にするから、二人で横をガードして欲しいんや」
夏希くんのこの言葉に、涼平さんと悟志さんも、
「俺達も前に立ってるから、真愛ちゃんは安心して座ってたらええんやで」
「そうそう…周り気にせず、美樹や香緒里さんと話してたらいいんやで。そしたら宝塚までなんか、あっと言う間や」
と言って、三人で私の前に立ってくれた。 「みんな…ありがとう…」
「真愛、言った通りやろ…みんな真愛の事が、心配なんや…」
「うん…」
みんなの気持ちがとっても嬉しかった…
「真愛の振袖姿良いよね。私より大人っぽいかも…」
昔から三人の中で一番大人だった美樹が、私の振袖姿を見ながら言った。
「男って単純やから、ちょっと優しく声掛けたらすぐ喜びよるで…」
「そうそう…美樹いい事言うわ…」
美樹も香緒里も男性陣に聞こえない様に、私の耳元で囁いた。その言葉に含羞みながら、私は黙って頷いていた。