「あぁ?あたしの帽子?」 依子代は声を上げて猫を捕まえようとしたが、猫は依代の腕をすり抜けて、こっちだよとでも言う風に尻尾を振る。 「…っこんの?どいつもこいつも?????」 依代は荷物を掴むと、猫を追いかけた。 依子代が手を伸ばす度に、猫は憎らしいほど軽快に避ける。 「んの?待て??」 そう叫ぶが、猫はからかう様に尻尾を振るだけで、待ってはくれない。 やがて猫は、山に向かって伸びている細道に走って行く。 依代もためらわずにその道へ入り込む。
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