旧校舎
夜の闇に沈んだソレは、
昼間よりも数段俺達の恐怖心を掻き立てる。
「今何時だ?」
俺は隣に立つ、中学時代からの友人である敬彦にそっと時間を聞く。
「…10時過ぎだから、
残り時間は2時間もないみたいだな」
重く呟くその声とは反対に、敬彦の顔は嬉しそうに笑っている。
「怖くないのか?」
「怖いさ。だけど、俺にはお前がいる。だから…この戦いが終わったら、また遊ぼうぜ」
「あぁ、生き延びてやるさ…絶対」
時計の針は静かに時を刻む…。
二人は足音を立てることもなく、旧校舎へと足を踏み入れた。
-続く-