「クク…クククク…」
ディア=パノスの決死の反撃で地面に伏したプロキオンの中でその狂気は遂に目覚めようとしていた。
ディア=パノスは地面に伏したプロキオンに接近しその様子を伺っていた。
ディア=パノスのパイロットである龍雅はプロキオンのパイロットであるミラの無事を祈るばかりであった。
しかし…
突然プロキオンは起き上がり、体当たりでディア=パノスをかち上げた。
龍雅はその時、ミラの身に起こっていることを瞬時に理解した。
龍雅「ぐぅ…人格崩壊が始まったか!!」
プロキオンは腰に装備した電磁ウィップでディア=パノスに襲い掛かって来た。
ミラ「ハーハハハハ!!龍雅な〜んか敵じゃないもんね〜!!!勝てるとでも思ったの???さむ〜い!!!」
プロキオンは他を圧倒する手数でディア=パノスを攻撃しディア=パノスは回避に専念せざるを得ず反撃の隙を与えなかった。
龍雅(なんてスピードだ…回避行動が追い付かない)
ディア=パノスは既に戦闘を続行するのが困難な程の損傷を受けていた。
更に機体の反応速度の方も伝達系の疲弊によりピーク時の半分に低下していた。
プロキオンの電磁ウィップを駆使した圧倒的手数を龍雅はただ己の経験と異常に研ぎ澄まされた勘のみで回避している状態であった。
ミラはプロキオンのコックピットから高笑いしながらその様子を伺っていた。
ミラ「アハ!!貴方の考えが手に取るように分かるよ!!攻撃が出来ないのはその子の反応速度が遅いからでしょう!!よく頑張るね!!」
次の瞬間、ミラは俯き急に暗い表情に変化した。
ミラ「…ねぇ…??龍雅…?もう一緒になってもいいよね??」
ミラが静かにそう呟いた時、プロキオンはそれまでの間合いに更に一歩踏み込み電磁ウィップでディア=パノスの両脚を拘束した。
地面に突っ伏したディア=パノスに対しプロキオンは背中に背負った大型ビームランチャーを取り出しそれを突き立てた。
ミラ「龍雅…??もう私たち、頑張るの止めようよ??」
ミラは啜り泣きながら龍雅に優しい口調で投げ掛けた。