「リグラ殿、お待ち下さい。それはやはりその三人を信じた上での憶測ではないでしょうか?」
「確かに。ただの憶測じゃよ」
リグラはにやりと笑って、頷いた。
「ならば確かめてみようではないか。ラト殿、明日、ロザラムをここに呼んで頂きたい」
「!」
ラトは驚いて、目を大きく見開いた。
「なに、事件調査の進行状況を詳しく聞きたい、との理由で連れてくればよかろう。ただし…」
リグラは目を鋭く光らせて、
「この城内に入れる時は、奴の剣を没収せよ。よいな?」
と、有無を言わさぬ口調で、言った。
「…彼が城への同行を拒否した場合、どうなさるおつもりですか?」
ラトは恐る恐るリグラに尋ねた。
「何もせぬ」
「は?」
「奴は嫌疑をかけられているだけでしかないからの。拒否したならば、素直にそれに応じればよい」
リグラは意味深な笑みを浮かべながら、答えた。
「…分かりました。明日、ロザラムを呼んで参ります」
「すまぬな、ラト殿。気の進まぬ仕事であると思うが、どうかよろしく頼む」
リグラはそう言って、頭を下げた。
「いえ、気になさらないで下さい。それより、軍の結成は如何いたしましょうか?」
ラトはアリネスの方を見て、真剣な表情で尋ねた。