うだる夏
蜃気楼の中に君を見る
手を伸ばしても
触れられはしない
この距離が
憎らしくて
日没と同時に
大気はぐんぐんと冷えて
恋の熱は
夜が更けるほど
更に温度を増して
眠れない「熱帯夜」
君のせいなのに
君はどこにもいない
何も知らず
どこか遠い場所で
安らかな夢を
見てるのだろう
僕一人
君を想い
君に焦がれ
いつの日か
君知れず
ひっそりと
焼け死ぬのだろう…
密やかに夜は更けて…