バーカウンターがあったので、どんな洋酒があるか見ていたら、 「カクテルも作れるよ」
と拓海さんが声を掛けてきた。
「ブルーキュラソーとホワイトラムとライムジュースってあります…?」
「あるけど…それで何をつくるの?」
と言いながら、拓海さんがシェーカーといっしょに出してくれた。
「夏希くんの好きなカクテルを作ってみようかなと思って…」
インターネットで覚えた作り方を思い出しながら、作って試飲してみた。
店長みたいにはいかなかったけど、私は満足いくのができる事が分かった。
「綺麗なカクテルやね。なんて名前なん?」
「それ、スカイ・ダイビングじゃない」
実里がレシピと、できあがりを一口啜ってから言った。
「うん…夏希くんが好きなの…」
「これライムだから難しいのに、よくつくるの?」
「今日が初めてよ」 「そうなんだ…」
私はもう一杯作って、夏希くんに持っていった。
「夏希くん飲んで見て…」
「これって、スカイ・ダイビング…?」
「うん…私が作ってみたの…」
夏希くんが一口啜った。
「美味しい…プロには負けるけど…」
夏希くんは本当に驚いていた。