6:秋が終わり冬になってもカラスはやって来なかった。 降り積もった雪の重みで右の腕は折れてしまい片腕だけになってしまった。 返事のない淋しさに絶えられずしゃべることをやめた。 最後に来た人間たちがもう農業は続けられないと言っていた気がする。 関係ない。 オレはただのカカシだ。 ただここに立ち続けるだけなのだ。 そしてオレはなにも変わらない風景を見ることをやめて、目を閉じることにした。 捨てられた田んぼには片腕のカカシが1人ポツンといるだけだった。
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