カカシとカラス7

ルクルト  2008-07-19投稿
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7:「せんせ〜ここがいいよ」「はやく、はやく」「はいはい。せかさないでくださいな」
声がする。
人間の声だ。
久しぶりに聞いた気がする。
「できた〜」「これでりょうてそろったね」「わたしおけしょうしてあげる」
ゆっくりと目を開ける。
まぶしい。
光に目が慣れてくるとようやく周りが見えるようになってきた。
目に写ったのはあの何もない田んぼではなかった。
大きな建物が目の前に見える。
オレの周りには小さい人間がたくさん集まっていた。
「みんなでキレイにしてあげたからカカシさんも喜んでるよ〜」
1人だけ大きな人間が小さい人間たちに話しかけている。
別に喜んではいない。
右腕が直っているのはありがたいが。
「じゃあみんな教室にもどりましょ〜」「はーい」
人間たちは建物に入っていった。
「どうやら引っ越しされてしまったらしいな」
1人つぶやく。
返事は…


「おかげで探すのに苦労しました」
返事は…あった。
肩に重みがかかる。
心地いい重みだ。
満開の桜が風に揺れる。
「おかえり」
「ただいま」
おわり

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