翔「うそだろ…同姓同名!?いや、有り得ない…」
健太「あ!違うぜ?清水明日香(あすか)じゃなくて、清水明香(あきか)だから!!」
翔「あ、そうなんだ!…でも似過ぎだろ…」
健太「…まぁな」
翔「それでお前…俺をここに連れてきたくなかったのか…」
健太「……なぁ…どうしても翔は彼女の事忘れられないのか?」
翔「……」
健太「また、翔と馬鹿やったりしてぇからさぁ…俺。だから…」
翔「…」
健太「立ち直ったらでいいから、また遊ぼうぜ!!」
翔「…入れてくれん?」
健太「何に?」
翔「ここのサークルにだよ。」
健太「は!?だって…あの子には悪いけど…あんな名前似てたら、嫌でも思いだしちゃうだろ?」
翔「その方がいいだろ…また健太と笑って遊ぶには…」
健太「……」
翔「悪いけど俺は忘れるつもりはねぇ…大好きだから…。でも健太とは、また馬鹿やりてぇ…」
その日
部室で俺はサークルの皆に紹介された。
健太「えっと俺の友達の緒方翔です。今日から入るみたいなんで、仲良くしてやってください!」
翔「よろしくです。」
皆、俺の事を歓迎してくれた…。
でも…
紗衣「さっきはどうも!えっと私ともう一人のマネージャー紹介するね。この子は明香!」
明香「……。」
翔「…よろしく。」
そのまま明香はグラウンドに戻って行ってしまった…。
翔「なぁ…明香って子って人見知りなん?」
紗衣「……うんっ…ていうかね…」
翔「ん?」
健太「言ってなかったけど…明香ちゃん、声が出せないんだ。」
翔「え!?そうなん?」
(そっかぁ…)
俺はグラウンドに戻って行った彼女を見ていた…。
何となくだけど…
サッカーの試合を静かに見ている明香ちゃんの目が…
明日香と重なった…。
つづく