…ポンッ。
背中を叩かれ、急いで後ろを振り向いた。
「葵…!今日は早く部活来たんだな。えらいじゃないか。」
「い、石渡先輩!?」
うわぁっ、ラッキー♪
早く来て良かったよぅ♪♪
「えッと…今日のメニューは何ですか?」
「そうだなぁ、今日は筋トレだから、まず30分走って来い。」
「…は、ハイ!行ってきます…。」
手を振る僕に、笑顔で振り返してくれた先輩…何て優しいのだろう。
あぁ…もう僕は先輩なしでは生きて行けません…。
一生先輩に…。
ゴスンッ。
頭を思い切り叩かれ、目が覚めた。
「起きろ!馬鹿葵!」
「グシュ…裕実チャン痛いよ。」
「…あ-もう!何でそうすぐに泣くの!?ィラィラするわ。」
「だってぇ…。」
こ、怖い…。悪魔のような鬼のような…小川裕実チャン。
でも裕実チャンだけは、僕が先輩の事好きなのを知っていた。