〜Stliker〜哀編(131)

焼き魚  2008-07-20投稿
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ディア=パノスのパイロットである峰崎龍雅は連邦公国軍指令部を目指すストライカ−『プロキオン』のパイロットであるミラ=クリミアの前に立ちはだかる。
満身創痍ながらディア=パノスはプロキオンの猛攻をかい潜り渾身の一撃を放つがそれがミラの人格崩壊への口火となってしまった。

ディア=パノスはプロキオンの電磁ウィップで両脚を拘束され地面に突っ伏した。
直ぐさま電磁ウィップから電流が機体に流し込まれる。

龍雅「ウオアアアアア!!!」

ミラ「アッハッハ!!もう逃げられないねぇ?あぁ、可哀相…」

ミラの表情は口元では笑みを蓄え、目元では大粒の涙を零していた。
龍雅は電流による苦痛で意識を失いかけていたが声を枯らしかねないような大声で叫び、ミラに懇願した。

龍雅「やめろミラぁ!!今なら俺達はまだやり直せるんだぁ!!俺は今ようやく自分を取り戻したんだ。今ならお前の兄貴と素直に向き合える。お前に与えてしまったこれまでの苦痛を精算することも出来る。俺にはお前が必要なんだよ!!」

ミラは龍雅の懇願にしかめっ面で答えた。

ミラ「なぁに、その明らかに在り来たりで寒い台詞は?それに…」

ミラの表情は急変し急激に落ち込んだそれへとかわった。

ミラ「なんで…?今更遅いよ…私が…私がどれだけの時間独りで待っていたのか絶対にわからないくせに!!!!!!!」

プロキオンは大型ビームランチャーをディア=パノスの頭部に突き立てエネルギーチャージを開始した。
ミラは涙を浮かべ声を震わせながらも笑顔で龍雅に告げた。

ミラ「ごめん??龍雅?私もすぐに行くからね??天国で兄さんと一緒に暮らそうよ?」

龍雅「お…俺は…」

次の瞬間、ディア=パノスはバーニアを噴射させ、そのままプロキオンに突っ込んだ。

龍雅「俺はぁああああ!!」

鬼の形相と化した龍雅はディア=パノスの五肢各部に内蔵されている補助ジェネレーターを開放させ電磁ウィップの拘束を解くとビームランチャーに手をかけ機関部を握り潰した。
そして右の拳はプロキオンの胸部を再び捉え、そしてそれを貫いてしまった。

龍雅「俺はぁ!!まだ死ねないんだよ!!」



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