輝?

佐倉 カオル  2008-07-20投稿
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出会いは、席替えの時でした。


一番古く、ボロくなった机に椅子。新しい自分の席。


いつものことだとわかっていても、ボロくなった机がまるで私みたいで、なんだか虚しくなって目をそらした。


顔を伏せたまま動けなかった。まるで、金縛りにあったように。

動こうとしても力が入らない。汗ばかりがダラダラと流れ堕ちるばかり。


何も見えない何も聞こえない。


何も見たくない何も聞きたくない。



もう自分はどうしようもならないんだ。


そう劣等感に襲われていた時だった。



「なぁ…なぁ…大丈夫…か?」





底無し沼に堕ちた私を、引き上げてくれた彼の声だった。


「…うん。」


私は一言だけ返事をして、また顔を伏せようとした。


だけど、伏せなかった…


伏せられなかった。


彼を見てしまったから。



黒ぶちメガネに、痩せ型体型の体。

だけどなぜか綺麗に整って見える彼の顔。


そのときから、彼に惹かれていたんだ。


なぜか高まる胸の鼓動。


吸い込まれるように引き寄せられる。


この感情を、なんて表したらいいんだろう。


知っているけどしらない。


認めたくない。


この感情の名前を…。





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