「夢の中で拓也、私に助けを求めて来たけど…」
「アナタはどう、対応したの?」
「何も出来なくて…すっごく悔しかった」
「ま、夢だから…」
「真愛さんに教えてもらいたいんだけど…」
「何を?」
「由美の…拓也に対する気持ちはどうなっているか分かる?」
「分からないけど…」
「透視…してみれば?
出来るわよね?」
「…」
真愛は自分のケータイを取り出すと、写メールの画像を開けた。
雅美が『あぐる』で撮った(由美とアキトの)ツーショットの画像を受け取っていたのだ。
真愛は画像に手をかざし、ジッと目を閉じた。
しばらく透視をした真愛は目を閉じたまま喋る。
「宮末さん…、森山さんに対する思いは殆ど無くなってしまっている。
悪く言えば…、愛想を尽かされていると言ったらイイかな?
今すぐにでも、別れたい…って、気持ちでいるみたいよ」
「だけど、拓也の方は…今でも由美への思いが強いのよね」
「ずっと、由美さんを信じているからよ」
「拓也って、あまり人を疑わないタイプだから…由美への思いが断ち切れないかもね」
「荻島さんとしては、その思いを断ち切らせたいのね?」
「出来たらそうしたい。由美はもう、拓也の事は何とも思っていないんだし、今度こそは…拓也を恋人にするチャンスじゃないかなと思ってるの」
「荻島さんがやろうとしている事、大体読めたわよ。でも、私が前に言ったように…下手に首を突っ込まない方がイイと思うんだけど…、それでも行くの?」
「私は、拓也を助ける為なら…命を掛けてもイイと思っているから…絶対に行く」
ジッと良子の横顔を見つめる真愛。
─荻島さん、段々と森山さんへの思いが強くなっているわね─
つづく