前回のデートからしばらく経ち、なんだかんだで高校生になってしまった。案外早々と慣れ、普通に高校生活をエンジョイしていたある日…。
『今度の休み、会えないかな?』
久々に吉川からデートのお誘いがかかった。もちろんOKと答えた。
いつものマックで会うことになっていた。ハンバーガーを1つ頼んで席に向かった。もう吉川が待っていた。
「悪い、待たせた?」
「ううん、大丈夫…」
「?」
何か変だ。どうも元気がない気がする。ま、まさか別れ話?様々な考えが頭をよぎる…。
「学校どう?」
「ん?ああ、楽しいけど」
「そっか…」
「…どうした?何かあったか?」
心配になって聞いてみた。
「…」
「吉川?」
「ブラスバンド部に入ったんだけど…」
「ああ、中学でもやってたな、フルート」
「うん…でもフルートは人数が多くて、それでレギュラーになれなくて…」
吉川の元気がよりいっそうなくなっていく。少し目が潤んでいた。オレはどう声をかければいいかわからない。
「ウチ、フルートやるためにあの高校入ったのに…」
目から涙が溢れていた…。