輝く貴方。
まるで宝箱を覗いているみたい。
私もその中に入ってみたいな。
〜Ticket?〜
小さなホームに降りた。
一緒に降りたのは、可愛らしいお祖母ちゃんと学生カップルだけ。
(ふーん。あんまり降りないんだ、この駅。)
何て思いながら、両想い切符にハンコを押してもらった。
何にもないこの駅。
なんだか宝物がある予感。
細い道をのんびり歩いていると、突然強い光が目に入ってきた。
その場所に目を向けると、一人の男がいた。
透き通るような雰囲気と独特なオーラを放っている。
よく見ると彼の手には濡れたビー玉が沢山あった。
眩しかったのはどうやらそれのようだ。
「あ、ごめんなさい。眩しかったかな。」
『だ、大丈夫ですっっ』
スーッと入ってくる声に、少しドキッとしてしまった。
「1つ。」
『え?』
「1ついりますか?ビー玉。」
『……あっはい!いただきますっ』
何故か緊張気味の私に、何故かビー玉を1つ差し出してきた。
「これ、1番のお気に入りなんです。君に似合いそうだ。」
もらったビー玉は他のより少し小さくて、藍色のシンプルなものだった。
『ありがとう、ございます。』
「どういたしまして。」
少しはにかんだ彼は子供みたいで、またドキッとしてしまった。
(ヤ、ヤバイな。…よし!!!
逃 げ よ う !!!)
『じゃ、じゃあ。』
「急いでいるんですか?」
『あぁーっと。は、はいっ』
「そうですか。じゃあ、また。」
『は、はぁ。』
私は少し戸惑った。
“また”
その言葉に、再びドキッとしてしまった。
“また”
貴方にあと何回言ってもらえるかなぁ。
NEXT...