僕は、本を買ったまでは良かったが、肝心の道場をどうやって探したらいいのかと思いながら、本を読み終えた。そして、1番最後のページを何気なくめくった時、著者の紹介に目をやった。
某大学のレスリング部監督で数々の輝かしい勲章が列記されていた。
そして、最後に自宅の現住所まで。
僕は思った。
『そうだ!これだ』
『手紙を出して見よう』
母親は、
『やめとき!』
『返事なんか来るかいな。』
もちろん僕は、聞かなかった。
どうしても道場が知りたい!
よそ行きの言葉をいっぱい並べて手紙を書いた。
〜そして、数日後〜
『ヨッシャ!』
『来たよーおかあちゃん』
母親
『えーーー!えらいまた、どないなってんねん』
親切な師のお陰で無事に道場に入門することが出来た僕のレスリング人生のプロローグである。
22歳の春だった。
22歳にもなって和室でプロレス?って話はこっちに置いといて。
〜初練習〜
少し若く見えた僕は、先輩練習生に呼ばれた。
『おい 高校生!スパやるか』
僕は30秒も経たない内にスタミナ切れになり、立てなくなった。横には表情ひとつ変えず相手の練習生が立っていた。
〜次の日〜
朝、起きれない。
すさまじい全身筋肉痛が僕を襲った。
『でも…。』