背中から多量の血を流しながらグッタリとなる良子。
「何だ、この女!?
俺の邪魔すんじゃねー!」
アキトは尚も良子を切り付けようとした。
…が、どこからともなく飛んで来た木製パレット直撃を受けて転倒してしまった。
─誰だ!?─
立ち上がって振り返ったアキト。
目の前には厳しい顔で仁王立ちしている真愛の姿があった。
ヒロシとヨースケはそれぞれ、木刀や竹刀を手に真愛の前に立ちはだかった。
「何じゃないコラァ!
よう、妙な真似をしてくれたじゃねえか」
ヒロシは相手を威圧するような態度で真愛に歩み寄って行く。
真愛は微動だせず、堂々とした振る舞いである。
両手を広げた真愛。
両側に落ちていた同じ種類の木製パレット類が魔法を受けたかのような状態でバタバタと立った。
まるで、ポルターガイスト現象である。
「!?」
コレにはヒロシもヨースケも、幽霊と遭遇したような驚きの表情で腰を抜かした。
怖くなった2人はアキトを残してそそくさと逃げて行った。
真愛は厳しい表情でアキトに歩み寄って行く。
ナイフ片手に身構えるアキトだが、凄く緊張していた。
しかも、体が硬直して動けない!
「私の手を見て」
真愛はアキトの顔にサッと手をかざす。
真愛のパワーを受けたからか、アキトは空ろな表情のままその場に座り込んだ。
「良子! しっかりしろ良子!」
グッタリとなっている良子を拓也は揺さぶった。
大丈夫、意識はある。
「救急車呼んだから!」
雅美が慌てて良子の側に駆け寄った。
「良子、直ぐに救急車来るからな!」
と拓也は話しかける。
「た、た…くや」
良子が口を開けた。
「馬鹿野郎、なんであんな…無茶な真似するんだよ?」
「ゴメン、心配かけて?」
「お前、俺の為に…」
「由美の事はもう、イイんじゃないの?
今度は私と…ね?」
「分かった、そうするよ」
─やった!万事治まった!─
安堵する雅美。
由美は何も言わず、アキトを連れて立ち去って行った。
良子はその後、何とか一命は取り留めた。
念願叶って、拓也の恋人になる事が出来たようだ。
良子シリーズ…完
※御愛読ありがとうございました。下手な文章でゴメンなさい。
ぐうりんぼ