ベイスが破壊されたって事はもう知られてるだろうし…、父さん、冷静なようでいて熱くなったらとことん突っ走る性格だからなあ…早とちりしてなきゃいいけど…―\r
ロイは一つ小さくため息をついて、ベッドに腰を下ろした。
隣では、ルイスがすやすやと心地よい寝息を立てて、眠っていた。
来て下さい…
ロイはその声を聞いた瞬間、全身に鳥肌を立てて、慌てて部屋を見渡した。
誰だ!?―\r
油断なく辺りを見回してみたものの、ルイス以外、人のいる気配は無かった。
来て下さい…
「っ!」
ロイは額から出る汗を拭いながら、声のする方を見た。
声はドアの奥から聞こえてくるように、ロイは感じた。
一体誰が僕を呼んでるんだ!?―\r
ロイはごくりと唾を飲み込みながら、ふらふらと立ってドアの前に行った。
来て下さい…
声は先ほどよりも若干、はっきりしたものになっていた。
外から呼んでるのか?―\r
ロイは緊張した面持ちで、ドアノブをそっと回すと、カチリ、という音を立てて、ドアが開いた。
廊下にはランプが均等に備え付けられており、そこから漏れる光が等感覚で辺りを照らしていた。
ロイは首だけ出して廊下を見回してみたが、辺りには誰もいなかった。