「へ?頼み?」
「あぁ」
「君が僕に?」
「そうだ」
「…熱あるんじゃないの?」
男は、グランと呼ばれる男の額を触った。
「…ねぇよ」
グランは、男の腕を払いのけた。
「…雨でも降るんじゃないの?」
「…殺すぞ?」
「はいはいすいませんね……で、頼みってなにごわす?」
「実は……レンについて少し手伝ってもらいたい」
グランは、男に目を合わせながら言った。
「…別にいいよ?僕暇だし」
男は、グランの目を見ただけで言いたいことが分かったようだ。
「ありがとよ……じゃあ…後でノール村に来てくれ」
「OK♪」
「じゃ、俺はこれで…」
「あっ!待って!」
「…なんだ?」
「ライトの所にも寄るといい」
「なぜ?」
「あいつも今暇だから♪」
「…分かった…人手は多い方がいい…」
「じゃバーイバーイ♪頑張ってね〜☆」
「…」
グランは、男に背を向けて門に向かって歩いて行った。手をヒラヒラと軽く振っていた。
「……レンって誰だっけ…」
男は、グランの背を見つめながら、そう呟いた。分かっていなかったのだ。目を見ても。
「まっ、いっか!行けば分かるっしょ!」
男は、大丈夫と言いながら、家の中へと戻って行った。