グランは、もう一つ、家を探していた。先ほどの男が話していた、ライトと言う名の人物だ。
「…あった」
グランがたどり着いた家。それは、ごく普通の家としか言いようのない家だった。チャイムもちゃんとボタン式だ。鈴などではない。
ピンポーン
「……グラン君だね?…事情はサイスから聞いてるよ」
そう言いながらライトはドアを開けた。そのライトの服装は、白い長袖に灰色の長ズボン。そこに、なにやら青いアーマーが所々についていて、ほぼ服を全て隠している。そして、そのアーマーを隠すかのように赤いマントを身に着けていた。年は、グランと変わらない。顔は、きちんと整っていて、青色の瞳をしている。そして、なにより優しい声をしていた。
「そうか…それなら話しは早い…」
「分かってるって!ノール村に行けばいいんでしょ?」
「あぁ…その通りだ」
「OK…少し遅れるかもしれないけど?」
「構わない」
「よし!…じゃ、後でね」
「あぁ」
グランは、門へと向かって行った。
やがて、街の前に一頭の白竜が降り立ち、一人の男を乗せてノール村へと飛んで行った。
そして、その光景を、一人の男が気球の中から見つめていた。
「見〜つけた!」