僕は君の未来を永遠(トワ)に。<49>

麻呂  2008-07-22投稿
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彼女と先週行った、カジュアルイタリアンの店で食事をする事にした。


どうやら、ここの店の気取らないアットホームな雰囲気が、

僕達の程好く親しい友人関係にはピッタリらしい。



『未來、ごめんね。なんか、無理に言って付き合わせちゃったかな?』


店員に案内された席に着くなり、彼女にそう言われた僕。


だから焦ってとっさにこう答えたんだ。

『そんな事ないよ。僕もユキちゃんの手術が大成功だったと聞いて、凄く嬉しかったし‥。』


『嬉しかった‥し???』


あ〜もうっ!!何て言っていいのか分からない!!


彼女に誤解されるのだけは嫌だ!!





『だから‥その‥‥僕も君に会いたかったんだ。』


言ってしまった。


パートナーのいる彼女に思わず言ってしまった。


早く話題を変えないと!!





『本当?!ならよかった!!』





僕の考えすぎか。


彼女が直ぐに何時もの笑顔に戻ったから、僕は内心ほっとした。


けど―\r


どうして彼女は、そう言ったのだろう。

よく考えてみたら、僕があまり楽しそうじゃない顔をしていたから、


彼女に気を遣わせてしまったんだって事に気付いた。


僕は感情を直ぐ表に出したりしない方なのだが、


この時ばかりは、彼女に気を遣わせてしまった事に、


僕は心の中で反省していた。


そして―\r


それ程、僕は彼女といる時はリラックスして、素のままでいられるって事なのだと自覚した。


だから―\r


別に“楽しくない”からじゃない。


だってユキちゃんの手術は大成功した訳だし。


理由を探せば、それはもっと別な所にあったんだ。


僕の―\r


もっともっと心の奥深い所にね。


けれど―\r


今此処でその理由を彼女に言ってどうなるというのだろう。

単なる自己満足になるだけなら、無理に打ち明けて気まずくなるよりは、今のままの親しい“友人関係”をキープしておきたかった。


それでよかった筈じゃないか―\r


オーディション会場で彼女と十七年ぶりに再会した時だって、


それでよかった筈だった―\r


初恋のヒトは―\r


過去に好きだったヒト―\r


今はただ―\r


それを受け入れなくては―



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