*中学3年の春*
「おー、優ちゃん(ユウ)。遂に念願の同じクラスになれたねー!」
不意にどこからか僕に向かって大きな声がとんできた。
振り向くと、その大きな声の主は律(リッ)くんであった。
「おー!律くんじゃん。やったぁ、同じクラスかぁ!龍(リュウ)ちゃんは?」
「龍は1組だよ」
「マジかぁ…残念。。でも龍ちゃんならクラスが違くても、どうせうちらのクラスに遊びに来るだろうから関係ないないかっ!」
そして、案の定…しばらくすると、
「優〜!」
と呼ぶ声が廊下から聞こえてきた。
噂をすれば何とやら。
龍ちゃんは満面の笑みを浮かべ現れた。
僕たち3人は幼なじみみたいなようなもので、律くんこと大崎律(オオサキリツ)、龍ちゃんこと寺島龍治(テラシマリュウジ)、そして杉山優(スギヤマユウ)の僕らは皆家が近いこともあり、小学生のころから仲が良かった。
中学3年の春。
桜咲く季節。僕たちはクラス替えにはしゃいでいた。
これまでと何ひとつ変わらない季節であり、何ひとつ変わらない日々だった。
でも、全てはこの季節から、この日々から始まったのだ。
全ては…