宴も終盤に差し掛かり、ツマの『両親への手紙』の番になった。
ボクが隣でマイクを支え、ツマは手紙を読み始めた。
ご両親は涙を浮かべている。
しばらくするとツマも感極まり、声を詰まらせてしまった。
式の直前までイライラしながら書いた手紙だったが、それでも内容は今まで育ててくれた親への感謝の気持ちが詰まっているのだ。
背中をさすり、声に出さずに応援するボク。
ツマはすすり泣きながらもなんとか手紙を読み終え、お互いの両親へ花束を渡した。
…後でツマから聞いたが、手紙のとき涙以上にツラかったのは、止めどなく流れるハナミズだったそうだ。
すすっていたのは涙じゃなくてハナミズだった…。ガッカリだよ!!
最後の新郎謝辞。
「…まだまだ未熟な二人ですが、皆さま温かく見守って下さい。」
心からそう思う。
ダメな二人は他の夫婦の何倍も努力が必要だ。
これからもいろんな困難があることだろう。
でも、きっと大丈夫。
愛すべきダメツマと、どんなコトがあっても一緒に乗り越えていける。
いつまでもゲラゲラ笑い合って生きていける。
愉快なダメ夫婦生活が、始まる。
おしまい。