第11章 天風先生
1983年4月、工学部電気工学科と機械工学科の2つの大学を卒業し、某市にある某特装車メーカーに就職しました。新製品開発業務に4年間携わり、幸いにしてヒット商品を出す事に成功しました。 縁在って今の妻と結婚、義父の経営する照明器具製造会社に転職しました。品質管理から始まり、板金、組立、営業、そして総務、経理、銀行との折衝まで全てを受け持つ経営まで、倒産するまでの約17年間、粉骨砕身、誰にも負けない努力をして、真面目に一生懸命仕事に打ち込んで来ました。
しかし、結果は先に示した様に倒産という最悪の結果に終わりました。 多大なるご迷惑をお掛けした協力会社、金融機関、ご支援を頂いた方々、お得意様には誠に申し訳無く思っていますが、企業が力尽きるまで、持てる力を全て出し切って、各位に利益をもたらしたと確信しております。
しかし、その結果、アルバイトではありましたが、学生の頃から本当に成りたかったエンジニアに成る事ができ、最高に幸福でした。 本当に夢の様な毎日でした。
2003年師走、当時の信頼性保証1課の課責から嘱託社員にとの夢の様なお話しを受けました。 この年の5月19日、感激の初出社よりアルバイトの身ではありますが、心の中に常に描いていた夢がありました。 それが現実の物と成った瞬間でした。
私は15年程前に中村天風先生の『成功の実現』という書籍に出会いました。 以来、『盛大なる人生』、『心に成功の炎を』と読み進み、生涯の師と仰いでおります。
先生が常に強調されているのは、
『常に積極的な心で行動する。』
です。 何かの選択に迫られた時、私は常に自分自身の心に問い掛けます。
『今、お前は積極的な心でいるか? 消極的な心に成っていないか?』
そして、自分自身の考え得る積極的な考えの行動を選択します。 一時的には、その選択により失敗する事もあります。 しかし、長期的視点で見れば、積極的な心で行動した失敗は必ず成功をもたらします。
中村天風先生は日常の心がけとして、次の様に説いておられます。
まずは『連想暗示法』ですが、
『悲しいこと、腹のたつこと、気がかりなこと、消極的なことは寝床の中に一切持ち込まない。 明るく朗らかに、生き生きとして勇ましい積極的なことを連想する。』
です。
つづく