Ticket ?

あいな  2008-07-24投稿
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藍色のビー玉。
このビー玉に、貴方はどんな想いを込めていたの?


〜Ticket?〜


少し名残惜しかったが、電車に乗って地元へと帰る。
自宅に着くまで私はずっと、彼のことを考えていた。

『ビー玉…かぁ。』

何となく呟く。


『あ、名前…。』

今更名前を聞き忘れたと気づいた。

(まぁでも、また会うからいっか。)

なんて少し余裕な自分がいる。

思えばビー玉なんて手にしたのは、いつぶりだろうか。
かなり久しぶりなことは確か。

誰かに惹かれるのも、かなり久しぶりかもしれない。

藍色のビー玉を見て、少しニヤける自分が気持ち悪い。
けど、ちょっぴり幸せを感じていた。



彼と偶然出会って数週間。
今のところ“また”は起こっていない。

(もしかしたら夢だったのかも。)

何て考えも、藍色のビー玉が現実だったと教えてくれる。


そんなある日。
駅のホームに彼を見た。


…気がした。


私の乗っている特急の電車が通過してしまった駅だった。

次の停車駅を降り、急いで逆戻りする各停の電車に乗った。

ゆっくりゆっくり、彼に近づいている。
その感覚が何だか嬉しかった。


『この駅だ。』


何故か分かっていた。
貴方がいる駅はここしかない。

降り立ったのは、やっぱりあの駅だった。


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