藍色のビー玉。
このビー玉に、貴方はどんな想いを込めていたの?
〜Ticket?〜
少し名残惜しかったが、電車に乗って地元へと帰る。
自宅に着くまで私はずっと、彼のことを考えていた。
『ビー玉…かぁ。』
何となく呟く。
『あ、名前…。』
今更名前を聞き忘れたと気づいた。
(まぁでも、また会うからいっか。)
なんて少し余裕な自分がいる。
思えばビー玉なんて手にしたのは、いつぶりだろうか。
かなり久しぶりなことは確か。
誰かに惹かれるのも、かなり久しぶりかもしれない。
藍色のビー玉を見て、少しニヤける自分が気持ち悪い。
けど、ちょっぴり幸せを感じていた。
彼と偶然出会って数週間。
今のところ“また”は起こっていない。
(もしかしたら夢だったのかも。)
何て考えも、藍色のビー玉が現実だったと教えてくれる。
そんなある日。
駅のホームに彼を見た。
…気がした。
私の乗っている特急の電車が通過してしまった駅だった。
次の停車駅を降り、急いで逆戻りする各停の電車に乗った。
ゆっくりゆっくり、彼に近づいている。
その感覚が何だか嬉しかった。
『この駅だ。』
何故か分かっていた。
貴方がいる駅はここしかない。
降り立ったのは、やっぱりあの駅だった。
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