僕は君の未来を永遠(トワ)に。<51>

麻呂  2008-07-25投稿
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『えっ‥‥???』

一瞬、トキが止まったかの様に、


僕と彼女は見つめ合ってしまった。


彼女は驚いている僕の顔を、


ただ、黙って見つめているだけだった。

まるで、今の一言に対しての僕の出方を窺っているかの様だ。



『こちら、海老のバジル風味でございます。』



僕達と変わらない年代に見えるウエイトレスは、


少し申し訳なさそうに、テーブルの上に料理を置いた。



『びっくりした?!』



先に彼女の方から口を開いた。



『うん。少し。』



少しどころか、内心かなり驚いていた。


何で?!



彼女と“ちんちくりんのハゲオヤジ”との間に一体何があったのか?!



聞いてみようか?!


いや‥‥‥。



好きな男と別れたばかりで傷心の女のコの心の中に、



部外者の僕が土足で入り込む隙は無い。




『‥‥‥き‥‥っ‥んだ‥‥‥。』



彼女の言葉が――



『えっ?!』



旨く聞き取れなかった――



次の瞬間――



『好きになってたんだ‥‥‥。』



彼女の目から――



大粒の涙がポロポロこぼれ落ちた――



小学校一年生のトキから、気の強い女のコだった彼女は――


多分、今も気の強い女のコ――



そんな彼女をこんなにまで悲しませ、傷付けたヤツをは許せない――





『ぐしゅっ。ち――ん。ご、ごめっ。何か悔し涙出ちゃって‥‥。』



『エリカちゃん。僕は、こんなダサイ男で、エリカちゃんが辛い思いをしていても、気の利いた事ひとつ言えないけれど、話を聞いてあげる事なら出来るからさ。』



『ありがとう。未來。』



彼女の一瞬の笑顔を見れたから、



僕は、少しだけホッとした。



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