どうして森君の父親が家を・・
「あれが森君の?」
うん。
なんかねぇ、朝からずっとチカの事見てるの。」
「朝から?」
「それでねぇ、時々目が合うとこうするの」
チカは小さな手を、奇怪に動かし、首をしめるマネをした。
「は?」
怒りが湧いた。
「ちょっと行ってくる」
「お兄ちゃんダメ!」
あまりの怒りで妹の言葉は聞こえず、気づくと相手の前に立っていた。
「おい、あんたどういうつもりだよ、 小学生つけまわして楽しいかよ?」
「………………」
「おい」
「…………」
その瞬間、僕の怒りは跡形もなく消え去り、全身が青白く固まった。
「アメ、いる?」
男の口中から覗いたのは、間違いなく目玉だった。
つづく。