しばらく歩いていくと、黒い扉がロイの前に現れた。「開くのかな…」
ロイは恐る恐るといった感じで、扉を両手で押した。しかし、扉はぴくりとも動かなかった。
「…駄目かぁ…」
ロイは小さく息を吐いて、その扉をまじまじと見つめた。
「ん?」
見ると、そこには小さな鍵穴が一つ、扉の中心に開いていた。
「…これもさっきの要領でやるのかな…」
ロイは首を傾げながら、先ほどのように、手のひらの周りに魔力を放出して、鍵穴へと流し込んだ。
今度もカチリ、という音を立てて、扉が静かに奥へと開いた。
「うわあ…」
ロイは目の前に広がる光景に思わず目をみはった。
闇の輝きを放つロウソクが部屋中を照らし、その中心には一つの美しい剣が、壁に鎖で繋がれていた。
この剣、凄い!―\r
ロイが思わず身震いするほど、その剣は美しかった。
よくぞ、来ました…
「!」
ロイはその美しい声に、思わず息を呑んだ。
私はエリクシオン、偉大なる友、ジャビネスをマスターとしている闇の剣…
エリクシオン!?あの、最強の魔法剣と呼ばれた―\r
ロイの額からはいつの間にか汗が吹き出していた。
最強…確かに、本質的な見方を変えれば、そうなるのかもしれませんが…