家に着き、私は自室に戻った。暇だ………
何もすることがなく、私は趣味の読書をすることにした。
「大戦の血」 最近読み始めた本だ。ただ何となくタイトルを気に入り買った本である。基本的に、大戦の被害についてや、異端者、新兵器、終戦に至るまでの過程等が書かれている。もともとの知識もあったし、何しろ有名な話なので、すぐに読めた。
「赤い死神」戦時中、何かしら活躍すると、様々なあだ名で呼ばれることがある、それにしてもこの名には興味を惹かれた。何しろ、この者には、あだ名以外一切が不明なのだ。暗殺部隊は大半、情報を隠すので、恐らく暗殺部隊にいたのだと推測出来るが、あまりに奇妙すぎた。大戦の中でも二つの過激な戦いがあった、一つは新兵器による数多の大量殺戮、もう一つはその結果から生まれた異端者達による殺戮、この二つは大戦の中でも過激すぎた。この二つの戦いのどちらにも、この名は見られた、いや、正確にはそこから見られるようになったのだが、何故か、あだ名以外は全て不明なのだ。いくら暗殺部隊でも二つの戦いに両方出ていきなり、あだ名で呼ばれるなんてあまりに不自然であった。
………私は不意にこのことと蓮が重なった。何となくだが同じような感じがしたのだ。私は、別れ際の蓮の言葉を思い出した。「学園全体だ」この言葉がどういう意味を持つのか、私はまだ、この時にはわからなかった。