僕は失いたくないものが沢山ある。友達や家族、彼女からは離れたくない…なのに僕は広い花畑にいる。何処を見渡しても同じ景色が続いている…
何故、此処にいるかは思い出せないが大切な何かを守るために此処に来ている気がする。ふと、耳に聞こえた声が泣き声だった…「私の不注意で彼が私を守るためにこうなっちゃた…」と自分を責めているのが聞こえた。
それは違う!と思ったが声は届かない…今の僕にはこの花畑から抜け出す道を捜さなければならない…幾ら動いてみても結果は同じだった。すると、彼女の声以外にも家族の声も聞こえた…
「早く戻って来ておくれ…」とか自分を責めている彼女に対して「貴女は何も悪くないのだから必ず還ってくるよ…だからそれまで頑張って見守っておこうよ」と誰かが話していた…
そうだ!僕は帰らなければならない!!その彼女の為にも家族の為にも何としてでも『出口』を捜さなければならない…どれくらいの時間がかかるかは解らない。でもやるしかない…
気付いたら彼女の目の前にいた…そして僕はこう言った。「君は何も悪くない。僕が君との生活がなくなるのが嫌で守ってあげたのだから…自分ばかりを責めないで欲しい…」と。すると彼女は泣きながら「うん…本当にごめんね。今の時間が私にとっては大切な宝物だよ…」と話した。
そんな彼女に聞こえないくらいの声で語りかけた…『これからも何があっても離れないから。君を泣かせる事はもうしない…』と