ルークは申し訳なさそうな表情で事情を話した。
勿論、コレは…ルークが咄嗟に思いついたウソ。
「犯人の手がかりは?」
アースルからの質問に
「まだ…今のところは」と適当に答えた。
─人形が盗まれた─
アースルはがっくりと肩を落としてしまった。
ルークの方はウソを付いてしまって、ドキドキした気分になっている。
「…」
ニック先生は怪訝な表情でルークの様子を見ていた。
迎えに来ている車に乗り込むアースル。
校長先生たちやルークが見送りに玄関まで出ていた。
「もし何か分かったら、ココに連絡をしてくれたまえ」
「分かりました」
ルークはアースルから名様を受け取った。
走る去る車。
ニック先生が疑いの目で話しかけて来る。
「お前、あの方にウソ付いていないだろうな?」
「つ、付いてませんよ」
「本当かァ?」
「僕を、疑っているんですか?」
「お前って、何考えているか分からんから」
「だからって」
「ま、イイ。何か分かったら連絡しろよ」
立ち去るニック先生。
ルークはまだ、ドキドキしている。
この夜、ルークはエリザベスの前で誓った。
「あの老紳士には悪いけど…、コイツは絶対に渡さない」
つづく