「いいぜ。ただし、てめぇは一人、俺らは三人だ。」「いいですよ。」
その言葉に軽くうなずく。「そんなの勝てるわけ・・・」
美咲の言葉をさえぎってそいつは言う。
「自己紹介がまだでしたね。僕は柊木翔人よろしくです。」少し笑って言った。「ルールは簡単。俺らから5分以内にシュートを決める。それだけだ。」
「分かりました。」
そう言って、翔人はボールをつき始めた。すると、恐ろしいぐらいの速さで金田を抜いた。
「速い!!」
金田がそう思ったあと、鈍い音が響いた。
「ひ、卑怯よ。殴って止めるなんて・・」
「誰も殴ったらいけないなんて言ってねぇぜ。」
金田の笑い声が響く。翔人が立ち上がって少し笑った。
「何がおかしい。」
「バスケやりにきてよかったよ。」
金田がその言葉にキレ気味で言う。
「はぁ?何言ってんだてめぇ。」
「あんたらみたいなのでもバスケしてんだから。」
一呼吸置いて続ける。
「でも、こんな卑怯なやり方には負けたくない。」
「コノヤロウ!!」
金田が殴ろうとする前に、翔人は金田を抜き去った。そして、シュートを放つ。ボールは鮮やかな軌道を描いてリングに吸い込まれた。