女のコの肌が、こんなに柔らかかったなんて――
『未來‥もしかして‥‥初めて‥?!』
彼女が、凄く至近距離にいる。
上から見下ろされた僕は、ぎこちない手つきで彼女を自分に引き寄せた。
初めてかと聞かれてどうする?!
違うよなんて答えてどうする?!
実際、女のコとこうして肌を触れ合うのは、僕にとっては初めての時以来なのだから。
『ごめっ‥‥。僕、慣れてなくて‥‥。』
誰とでも寝れるヤツが、僕には分からない。
だって、好きじゃないヒトとエッチしたって、全然気持ちよくないと思うから。
だから、今までにこういう風になりうるシチュエーションが無かった訳じゃない。
でも、僕にはそんな器用なヤツになれる筈がなかった。
『いいよ。あたしがつけてあげる‥‥。』
彼女が静かに息づいている。
その顔があまりにも綺麗で、色っぽく見えて――
僕はもう、それだけで――
『エリカちゃっ‥‥‥‥‥。』
次の瞬間――
頭の中が真っ白になって――
目の前の彼女の中に――
僕は、その思いを放出させた――
セックスが――
こんなにも気持ちいいなんて思わなかった――
またしたいと思うとしたら――
もう一度、彼女としたいと思った――
『未來‥‥。よかったよ‥‥‥。』
その日、僕と彼女は何度もお互いを確かめ合った。
トキが許す限り、何度も何度も――
テーブルの上の携帯だけが――
静かにトキの流れを見守っていた――