「…そうですか…」
ロイは安堵した表情になって、一つ小さく息を吐いた。
それでは貴方を元の場所へお送り致しましょう。…少し痛いですが、我慢して下さいね。
「へ?」
ロイは目を大きく見開いて、目の前に浮かんできたレンガ造りの床板を見つめた。
その瞬間、その床板が猛スピードでロイの頭へと襲いかかってきた。
「あだっ!」
ロイはその床板の直撃を受け、悲鳴を上げて床の上に倒れこむと、失神してしまった。
…愛のムチ…です。なんてね。
ロイは頭の中で聞こえた剣からの最後の言葉に対して、夢の中で、
「いや、これ明らかに違うし!ていうか、もっと優しく出来るでしょうが!」
と、突っ込みを入れていた。
「う…ん、痛たた…ん?」ロイは頭を擦りながら、柔らかな布団の感触を感じ、驚いて目を開けた。
「…」
ロイの目の前には、青い顔をして震えているルイスの姿があった。
「…ロイ、目、覚めたんだな…」
「あ、ああ…」
「…いや、お前、さあ…どうして、俺の布団で一緒に寝てるんだ…?」
「…」
それを聞いた瞬間、ロイの顔も一瞬にして青ざめて、布団からがばっと起き上がった。
「ち、違うんだ、ルイス!僕は断じて、そんな趣味は無いぞ!」