「やったなァ!
2人は初めて、デートしたのかァ!」
ジミーはルークとキャサリンのその後の様子を聞いて大喜び!
内気なルークは果たして、キャサリンと上手くゆくのか心配だったのである。
「私たち、今では恋人同士よォ?」
自慢するキャサリン。
「恋人同士って、オーバーだなァ?」
ルークの方が照れる。
「イイね! 似合いのカップルだぜ!」
ジミーは嬉しさのあまり、親指を立てた。
この夜…、
夕食を済ませ、ゆっくりとくつろぐルーク。
思い出したように、物置の扉を開けた。
エリザベスを収納したままである。
冷めた目で人形を見つめた。
「今ではコイツも邪魔だな。あの老紳士に返す事にしよう」
そう言って、ルークは扉を閉めようとした。
すると、人形の片腕が動き出してルークの腕をガッチリと掴んだ。
「!?」
驚愕するルークに人形は顔を上げた。
「ワタシヲ…、ステナイデ…」
喋ったエリザベス人形。
ルークは思わず、人形の手を払い除けて後退りした。
人形はゆっくりと立ち上がり、ルークの方へ歩き出す。
「ワタシヲ…、ステナイデ…」
「く、来るな!」
「オネガイ…、ルーク」
人形はゆっくりと近付いて来る。
「化け物だ!」
ルークは慌てて自宅を飛び出し、ジミーの家に駆け込んだ。
「人形が動き出した?」
「そう! しかも、喋ったんだ!」
「なーに妄想めいた事、言ってるんだお前?」
笑うジミー。
ルークの話しなんか信じようとはしなかった。
「本当だ! 信じてくれ!」
ルークは必死になって、何度も状況説明した。
しかしジミーは
「人形ばっかり扱っていたからよ、夢でも見たんじゃねえの?」
と、信じてくれない。
「違う!」
「じゃ何で、作りモノの人形が動く!?」
「分かんないよ!」
「分かんないハズねえだろう? お前、24時間ずっと人形と一緒だし、動く理由ぐらい見当が付くハズだ」
「付かないよ!」
「それじゃあ、信用出来ねえ」
「だったら! 今から僕のウチに来て欲しい!」
「分かった。一度、人形の様子を見てみようぜ」
つづく