エリザベスドール(8)

ぐうりんぼ  2008-07-28投稿
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「やったなァ!
2人は初めて、デートしたのかァ!」

ジミーはルークとキャサリンのその後の様子を聞いて大喜び!

内気なルークは果たして、キャサリンと上手くゆくのか心配だったのである。

「私たち、今では恋人同士よォ?」

自慢するキャサリン。

「恋人同士って、オーバーだなァ?」

ルークの方が照れる。

「イイね! 似合いのカップルだぜ!」

ジミーは嬉しさのあまり、親指を立てた。


この夜…、

夕食を済ませ、ゆっくりとくつろぐルーク。

思い出したように、物置の扉を開けた。

エリザベスを収納したままである。

冷めた目で人形を見つめた。

「今ではコイツも邪魔だな。あの老紳士に返す事にしよう」

そう言って、ルークは扉を閉めようとした。

すると、人形の片腕が動き出してルークの腕をガッチリと掴んだ。

「!?」

驚愕するルークに人形は顔を上げた。

「ワタシヲ…、ステナイデ…」

喋ったエリザベス人形。

ルークは思わず、人形の手を払い除けて後退りした。

人形はゆっくりと立ち上がり、ルークの方へ歩き出す。

「ワタシヲ…、ステナイデ…」

「く、来るな!」

「オネガイ…、ルーク」

人形はゆっくりと近付いて来る。

「化け物だ!」

ルークは慌てて自宅を飛び出し、ジミーの家に駆け込んだ。

「人形が動き出した?」

「そう! しかも、喋ったんだ!」

「なーに妄想めいた事、言ってるんだお前?」

笑うジミー。

ルークの話しなんか信じようとはしなかった。

「本当だ! 信じてくれ!」

ルークは必死になって、何度も状況説明した。

しかしジミーは

「人形ばっかり扱っていたからよ、夢でも見たんじゃねえの?」
と、信じてくれない。
「違う!」

「じゃ何で、作りモノの人形が動く!?」

「分かんないよ!」

「分かんないハズねえだろう? お前、24時間ずっと人形と一緒だし、動く理由ぐらい見当が付くハズだ」

「付かないよ!」

「それじゃあ、信用出来ねえ」

「だったら! 今から僕のウチに来て欲しい!」

「分かった。一度、人形の様子を見てみようぜ」

つづく

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