「ハチっ!」
下駄箱で上履きからローファに履き替えて、門に向かっている途中で後ろから声をかけられた。
『不二先輩?』
「国分先輩と一緒じゃないの?」
『なんか国分先輩呼び出しくらって先に帰りました。』
「ふぅ〜ん...チャリ?」
『今日は電車です。』
「じゃあ、一緒に帰ろう!」
『いいですよ。』
ァタシと不二先輩は駅に向かって歩き出した。
「ハチさぁ〜内緒はいけないよね。」
『え?』
「嘘つかれるのって、例えそれが自分のためについてくれた嘘だとしても...辛いんだよ?」
ァタシは国分先輩と付き合い出したことを不二先輩には黙っていた。
性格には...言い出せなかった。
『ァタシ...「見たんだ。ハチと国分先輩がキスしてるとこ...」
『え?』
「俺は、本当にもういいから。叶わないから...実際フラれたし?」
『先輩...』
「もう。俺のこと気にしないで。じゃあ...俺乗り場こっちだから。」
『先輩!』
ァタシが何度呼んでも不二先輩は振り向いてくれなかった。
これで良かったの?
不二先輩を傷付けてまで幸せになる意味があるの?
もう、なにも分からなくなった。