「そっかぁ」
さおりも笑いかけるがその後の会話がどうも続かない。
光太郎は直視する事も出来ず…。
が、ちらっと視界に映る彼女はセミロングの髪に、奥二重に近い二重のくっきりした目で、何やら周りをキョロキョロ気にしている。
(どうしよう…これって聞いて良いのか??)
戸惑いながら、でも会話がないのは辛いので取り敢えず聞いてみた。
「さおりん…?」
「えっ?」
さおりは我に返ったかのようにハッと振り返る。
「誰か探してるの?」
「………イヤ、別に何も…」
「……」
『別に』などと言われてしまうと、それ以上聞くことが出来なくなる。
「そ、そーいやぁさ…」
話題を早く変えねばと先急ぐ光太郎。
「昨日のテレビ見た?…誰だっけあの俳優…」
さおりが、『?』を浮かべて見つめている。
焦って思い出そうとする光太郎の後ろで聞いた事のある声がした。
「光太郎じゃん!!」
振り向いたその先には光太郎のクラスメイトが4人程。