「痛って〜」
翔人は体中の痛みで目が覚めた。あの勝負の後、どうやって帰り着いたかさえ覚えていない。
「しまった。遅刻だ!!」翔人は急いで準備していた。
学校に着いた翔人は、金田に勝ったことで、話題になっていた。翔人は驚くばかりだった。
放課後になり校長室から翔人の声が聞こえた。
「は、廃部ってどういうことですか。」
「君は何も知らんでここに来たのかね。」
さらに校長が続ける。
「たしかに、男子バスケ部は優秀な成績をおさめていた。だが。不良ばかりで部が辞めていき、今や崩壊状態なのだよ。」
翔人はショックを隠しきれなかった。
「ここでバスケをするのはあきらめなさい。」
校長の言葉がさらに追い討ちをかけ、翔人は校長室をあとにした。翔人はむなしく誰もいない男子の部室にいた。
「マジかよ・・バスケ出来ないなんて・・」
翔人の独り言が部室の中で浮かんでは消えていた。
カチャ・・・
ドアが静かに開いた。
「ん?誰だ・・」
この出会いが、翔人にとって強く心に残るものになるとはまだ分からなかった。