それに僕――
まだ君に打ち明けていないよ。
せめて――
僕の気持ち、打ち明けていいかな?!
『エリカちゃん。あのさ――』
『なぁに?!』
『僕‥‥エリカちゃんの事、大好きだからっっ!!』
少し上がり気味の目尻に、大きな目を益々猫みたいに大きく見開いて、
彼女は僕に言った。
『ありがとう。あたしも未來の事、大好きだよ。』
けれど、思いがけない彼女の言葉の、その後には続きがあったんだ。
『でもあたしは東京へ行くって決めたから。夢だったから。女優になるって。
だから‥‥ごめんね‥‥‥ごめんね‥‥。』
彼女は泣いていた。
そして、僕も。
恥ずかしい位に泣いていた。
ねぇ――
飛び立つその日は僕も見送りに行くよ。
本当は涙が出そうになる位ツライから行きたくないんだけれど。
君が飛び立つ姿を見届けたいんだ。
夢に向かって今、飛び立とうとする、その姿を。
そうしたら君の事、なるべく早く、忘れられるかなと思って。
だって、待ってるよなんて言えないじゃん。
だから、応援してるって言ってあげる。
心から――