貴方の表情に一喜一憂してしまう。
こんなに溺れたのは初めてかも。
それほど大好きなんです。
〜Ticket ?〜
『はぁ、はぁ、はぁ』
いつ振りだろう、こんなに必死に走ったのは。
「あれ?」
振り向くと、やっぱり彼がいた。
「また、会いに来てくれたんですね。」
そのはにかんだ笑顔。
調子が狂う。
落ち着いて。
落ち着いて。
落ち着いて。
『そうです。…そうなんです……。』
言いたいことがありすぎて、想いが膨らみすぎて……
私は、泣いていた。
「あ、えっと。ど、どうしたんですか?」
彼は初めて慌てた姿を見せた。
『貴方を…名前も知らない貴方を……こんなに、こんなに好きになってしまうなんて…思ってもみなくて……。』
「それは………」
まただ。
…いや、今度こそ。
ハッキリとフラれてしまう。
どうしよう。どうしよう。
やっぱり私は走り出していた。
「えっちょっと待って下さい!ねぇ、待って!!」
私の足はピタリと止まった。
初めて聞いた、大きな声。
「はぁ、はぁ、はぁ」
彼は肩を上下に動かしながら、近づいてきた。
…どうしよう、終わってしまう。
失恋がついに、決定する。
終わった。
「好きって言ってくれたこと、凄く嬉しかったです。今日も。もちろん、この前も。…でも。」
さよなら、あたしの恋。
何となくが生んだ恋も、もう少しで……
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