僕は君の未来を永遠(トワ)に。<61>

麻呂  2008-07-31投稿
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* * * * * *

エリカちゃんが東京へ飛び立つ日――



僕は彼女を見送る為、一緒に空港まで付き合う事になっていた。



『未來、本当に空港まで付き合ってくれるの?!』



『勿論!!僕ね、結構空港って好きなんだよね。小さい頃を思い出してさ。』



『小さい頃?!』



『うん。よく父親に連れられて、空港に飛行機を見に行ったから。』



『へぇ。そうなんだ。』



小さい頃は、飛行機が見られるという事に凄くワクワクしていたっけ。


あの頃の純粋で素直な気持ちで今もいられたら、きっと僕はこんなに無理をしていないだろう。


何時からか、僕達は大人になって、言いたい事も言えずに黙る事を覚えてしまったのだ。



もっと早くに―\r



もっと素直に―\r



そして―\r



もっと正直に―\r



自分の気持ちがなれていたら―\r



きっと―\r



今の状況が違っていたと思うんだ――





僕達は、お互いに、窓際に向かい合って座っていた。



『あは。何かこれからあたし達、離れ離れになるなんて、信じられないね。』



彼女はそう言った後、小さく笑った。



『うん。何か、これからちょっとした小旅行に出掛ける気分だね。』



悲しい気持ちを隠して僕もなんとか笑ってみた。



頑張って楽しい話題を持ちかけたりした。



悲しいのに笑ってる。



泣きそうなのに笑ってる。



だって―\r



気を緩めたら―\r



泣いてしまいそうだったから――





『エリカちゃんが女優なら、僕はお笑い芸人、今度は本気で目指してみようか!!』



『あはははは。またう〇こ漏らしそうになっても、あたし知らないからね!!』




このまま、この時間が続けばいいと思った――



彼女と離れたくないって――



僕の心の中の叫びが虚しく響いた。

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