私は四歳のとき親が実家を離れ引っ越すことになりました。
七歳の時です。私は四歳になるまで住んでいた母親の実家に遊びにいきました。
でもなんか変。
家の前の道が狭く感じました。
家の中も少し狭くかんじました。
それだけぢゃありません。おじいちゃんもおばあちゃんも少し小さく感じました。
十歳の時です。夏休みになり再び母親の実家にいきました。
また。変。
道がさらに狭くなっている感じがします。私が両手を開いて二つ分くらいの道幅しかありません。家の中もそう。おじいちゃんとおばあちゃんも小さくなったように感じました。
十五歳のときです。
再び母親の実家にきました。さらに道幅は狭く感じました。
私はついに訪ねたのです。
『お母さん、なんか道が狭くなってない?』
お母さんは答えました。
『それはあなたが大きくなったからよ』
私はなっとくしました。祖父も祖母も、それで小さくなったように感じたのか。
二十五歳のときです。
私はたまたま仕事で母の実家の近くまで来たので、よっていくことにしました。
変。
道幅が私の肩幅くらいしかありません。
奥をよくみると、郵便ポスト程度の家があります。
母の実家だ。
中をよくみると150mlペットボトルほどの祖父と祖母がいました。
私がおおきくなったからじゃない。
確実に。何かが。
変。
私が四十歳の今。その道はなくなり。祖父と祖母もいなくなりました。
あなたが狭くなったと感じた道も。
実際に狭くなっているのかもしれませんよ。