「それはどうしてかね?」「いえ…その、父は冷静そうに見えて、熱くなりやすい所があるんですが、ベイスが破壊されたとなると、もしかしたら、…復讐しに行く可能性があるんですよ」
ロイはそう言って、一つ小さくため息をついた。
「復讐…?君の父上もソードメーカーなのかね?」
「はい。エルダスの町に住む、ライルっていう名前の…」
「ライルじゃと!?」
リグラは思わず目を見開いて、驚きの声を上げた。
「…ライル…何かどこかで聞いた名前ねぇ…」
アリネスはそう言って、首を傾げた。
「君の言うライルとは、あのライル―ウィンストンの事かね?」
「はい」
「…何と…我が国のソードメーカーの中でも五本の指に入る実力者、ライル殿が…」
リグラはまじまじとロイの顔を見つめ、
「復讐、と言っても、具体的にどのような行動に出ると思うかね?」
と、尋ねた。
「はは…まあ、父さんの事ですから、今日の午前中に町を出て、ベイスへと向かうかと…」
「…ち、ちょっと待ちなさい。まだ敵が誰か分かっていないのに、とにかく現場へ向かうタイプなのかね?ライル殿は」
「はい。そうです」
「…」
ロイの確信めいた答えに、リグラは思わず絶句した。