「オメェ、事件について何か心当たりあるんじゃねえのか?」
学校でルークはディックから激しく問い詰められた。
大事な仲間が殺されて、ディックもティムも大変なショックを受けているのだ。
「別に、ないよ」
「隠すなッ! 正直に言えよッ!」
「本当だったら!」
「ルーク、オメェが犯人じゃねえのか?」
と言ったのはティム。
「人聞きの悪い事言うなッ! 何で僕が!?」
ディックはルークに顔を近付け、指を差しながら言う。
「動機は十分、あるじゃねえか。ジミーの野郎、俺の人形趣味の事にしつこく口を出して来やがる。しかも、俺の愛するエリザベス人形を勝手に処分しちまった。だから殺った。そうだろう!?」
「違う! とんだ言い掛かりだッ!」
ディックはカッとなって、ルークの胸ぐらをら掴んだ。
「じゃあ、誰が犯人なんだよ!?」
「知らないよ!」
「知らないワケねえだろう!?」
「知らないったら!」
「テメェ、イイ加減にしろよ!」
なかなか真実を言わないルークにディックの怒りは治まらない。
ルークをブン殴ろうと拳を挙げた。
直前になって、ディックは誰かに腕を掴まれてしまう。
「やめなさいよディック!!」
横から一段と大きな声でディックを制止したのは、1人の女の子である。
「邪魔するなシェリー!俺は、事件の真相が知りてえんだ!」
シェリーはディックに詰め寄る。
「だからと言って、彼を責めたって仕方がないでしょう!?」
「何を言ってやがる!
コイツは最後まで、ジミーといたんだぜ!
絶対、コイツが犯人に決まってる!」
と、ティムが反論する。
「彼は知らないって言ってるじゃない?
それでも彼を問い詰めると言うんだったら、私が承知しないわよ」
鋭い眼差しでジッとディックを見つめる女の子。
「ディック、もうよそうぜ。シェリー怒らせると、怖いからな」
「チッ!」
ティムに促されて、ディックは立ち去った。
つづく