フェイク?

サクラ  2006-05-28投稿
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―――手も足も冷たいの。
もうすぐ、死ぬんだね
ごめんね、ハナ お前だけでも逃げて

炎の中には、たしか――――……
―――ユミっ!


………ピピッ、ピピピピッぴぴ……

(は……8時5分っ!)「しまったぁ―――」
アタシの名前は泉由美子。
いつものよーに階段を降りる寝ぼすけ。
「おはようパパ」
「おはよう由美子」
で、コレがアタシのパパ泉 栄二
「一週間父親より早起き――か?」
「あ、はは…は」
そうだった!
朝シャン洗面台がぁぁぁぁ
「うあーっ!朝シャン洗面台買って――っ」
「早起きしてシャワーを浴びるとよろしい」
「シャワーだと風邪ひくよォ」
「食べながら髪をいじるのはやめなさい」
いつもの朝のやりとりがコレ。
「じゃあ期末の結果が良かったら!」
「成績上げても早起きしなきゃ同じです」
「ぶーっ」
と…出発時間だ。
「じゃあハナちゃん、ママちゃん行ってきます」
と、写真にキスをして出発です。
「行ってきます」
そして、バス停には
「菜仔っおはよっ」
「おはよう」
アタシの友人の菜仔
「いーなぁ、由美子のパパは。こっちは只のジジィだい」
そうか?

実は10年前に火事があってそのとき、ハナとママは死んじゃったの。
で、今は二人暮らしなの。

「菜仔っ写真倶楽部いかない?菊地の作品が賞を取ったの」
「行く行く」

「ここだ」
「菊地ぃ――っ」

よ、と軽く挨拶をして写真をみる。
「きゃいん!は、ハズいよコレって!」
「いいだろう、いいポーズだ」
写真は 少女 という題で由美子がうつっていた。
「もっ!」
「あはははっ」
「あははじゃない」

「……まただ」
「?」
「あの男……」
男は、由美子の写真を見ていた。
「午前中もずっとだよ!気味が悪い」
しかし、由美子はそのとき何か嫌な予感が響いた。
(な、何コレ!)
寒気がした。


男はただ笑っていた。
冷たい微笑みを。

由美子は倒れた。

気が付いたら、家だった。


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