−暗闇の中、今日も俺はさ迷う−
＜１＞ハルナ
−出会い−始まり
「お帰り♪ハルナ♪」
歩いていた足を止め、俺は声がするほうに、ふりむいた。
「スゥ、お前なぁ・・・」
そこに、立っていたのは、幼い顔をしたツインテールの女の子。
名前はスゥ。
「死に神なんだから、ちゃんと仕事しろ。」
スゥに呆れたように、言ってみた。まぁ、いつもの事・・・・
「分かってる♪でもハルナが、してくれるじゃん♪♪」
「仕方なくだよ！！俺も大変なんだから。」
「はぁーい♪♪これから、ちゃんとやりまぁーす♪♪」
ったく、そればっかり。
仕事をした試しがない。
反省感ないんだから。
「はぁー・・・」
思わず深くため息をついた。
それに気付いたスゥは、ニッコリ笑うと、こう言った。
「ハルナが、私にキスしてくれたら・・・仕事ちゃんとする♪♪♪」
スゥの、近づけてくる顔をよけて、俺はこう呟く。
「馬鹿。何が悲しくてお前とやらなきゃ、いけないんだよ。」
はぁ・・・・スゥの奴。
ちゃんと仕事するかな？
明らかに不機嫌な顔をして、俺は次の仕事場に行っていた。
俺達は、死に神。
もうすぐ、死にそうな奴の魂を回収して、楽にしてやるのが仕事。
これは、そんな俺の、短い物語。
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