エリザベスドール(13)

ぐうりんぼ  2008-08-02投稿
閲覧数[669] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「やれやれ、マイッタ」

ため息付くルーク。

気の荒いディックに執拗に問い詰められ、ホトホト参っていた。

女の子に礼を言う。

「ありがとう、助けてくれて」

「礼なんて、イイわよ」

「確か君は…、隣りのクラスの」

「私の名前は“シェリー・ハイバー”。
アンタ…、ルーク・ハリーって言うんでしょう?しかも、キャサリン・ロバーツの恋人」

「え? 僕の事、知ってるの?」

「キャサリンから聞いたから。私、あのコとは親友なの」

「ヘェ、そうなんだ」

「ルークも、とんだ災難ね。被害者と最後までいたからと言って、犯人扱いされるなんて」

「仕方ないよ、あの2人…元々、僕とは折り合いが悪いんだし」

「ジミーも確か、そう言ってたわね」

「ジミーを知ってるの?」

「彼とは、恋人同士よ」

「ヘェ、それは知らなかった」

「みんなには、秘密にしているんだけどね」

「ジミーが死んだから、ショック受けているだろう?」

「まあね」

「なあんか、僕が犯人扱いされちゃっているけどね」

「でもアンタはやっていない。…そうでしょう?」

「勿論だよ。でもディックもティムも、僕が犯人だと決め付けている」

「私は信じているわよ。アンタはやっていない事を」

「ありがとう。そう思ってくれて、嬉しいよ」

ルークがこう言うと、シェリーは微笑んだ。

笑顔がサイコーである。

そんなさわやかなシェリーにも、ルークは本当の事は話さなかった。

やはり、人形が動くところを見せないと…状況は理解出来ないからだ。

コレからどうしたらイイのだろう?

考えた末、ルークはアースルに会って、事情を話す事を決めた。

 ────────

誰もいない夜道をトボトボと歩くエリザベス。

街角に建つ公衆電話ボックスを見つけ、ドアを開けて中へと入った。

備え付けの収納ケースに入っている電話帳を取り出すと、ゆっくりとページをめくり始めた。

見つけたのは、或るページに載っている個人宅の電話番号と住所である。

エリザベスは目を付けた箇所に手を当てた。

「キャサリン…ロバーツ…」


つづく



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ぐうりんぼ 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ