「なんじゃ…こりゃ…」
佐藤が言った。
サトリの住みかに着いた佐藤達は“ソレ”を見た。
真奈は見た後足早にサトリの住みかを出て嘔吐した。
ぬらりひょんはサトリを天狐じいにしばらく起こすなと言い渡した。
天狐じいは真奈とサトリを連れ川へと向かった。
ソレは六つある目で佐藤達を見ていた。竹のような角が生えていた。
目と同様腕も六つあり蜘蛛のように壁にぴたっとくっ付いていた。その腕の内、二つは人間の腕であと四つは獣のような腕であった。
長い舌は口に収まらないのか露出していた、口からはヨダレがダラダラと出ていた。
耳は無く、視力が頼りなのか佐藤達を大きく見開いた六つの目でじっと見つめて動かさなかった。
「妖怪サトリと人間の合成獣、しかも失敗作…これでは三日も保たないだろうな…ならば…」
そう言うとぬらりひょんはゆっくり“ソレ”に近づき、頭を撫で、
「すまなかった…」
グシャッ!!!
頭を握り潰した。
ソレは壁からボトッと落ちた。
目は四つに減っていて、ちょうど額から上が姿を消していた。
ぬらりひょんは飛び散った頭の破片の中から竹のような角を取り出し、食べた。
「サトリの角には思考を読み取る能力がある…良かったら佐藤もどうぞ。」
そう言って佐藤にもう一本角を差し出した。
「いや、遠慮しときます今食事が出来る気分じゃないので…」
佐藤はそう言って角を返した
ぬらりひょんはしばらく佐藤をじっと見て、
「笹木…とは誰です?」
そう言った。
佐藤は軽く俯き、
「笹木は…俺の」
「成る程、さっき言いかけた人はその方ですね、犯人と疑うのも分かります。」
ぬらりひょんが言う
「話が早い、便利ですね…」
佐藤が苦笑して言った。
佐藤はさっきぬらりひょんに犯人の心当たりがあると言い、犯人の名前を言いかけて、止めた。
考えたくなかった。山村の件といい犯人が笹木だとしたら笹木は佐藤を殺しにきている、唯一無二の存在であった笹木が自分を……考えただけで頭痛がした。
そして今度は妖怪の誘拐事件、妖怪と人間の合成獣ときた。あいつは着々と準備を進めているのだろう……
「あれ?その子殺しちやったの?」